フレッシュマン

 我が大学の震災による被害総額は約70億円、なんていう報道が先日されておりました。それには含まれていないでしょうが、僕の研究室も、完全復旧のためには数十万円かかるという見積もりが出てしまいました。僕の研究費1年分を軽く超える額というわけで…、善後策に走り回る今日この頃。

 しかも、こういう年に限って、出席予定の学会は札幌とか岡山とか、旅費のかかる遠方ばかりというね…。

 さて今年は、授業担当コマ数が自分史上最大である件は前回書きましたが、その要因の一つは、今年は1年生のクラス担任が回ってきたからです。その関係で、1年生ためのセミナーみたいな授業を持っております。

 まあ授業といっても、「自分史を中心とした自己紹介」を一人5分でプレゼンしなさい、みたいな感じで和やかにやっているわけですが、やはり20も年の差があると、だいぶギャップが…。

 たとえば「好きなマンガは○○です」とか「バンドをやってて、○○というバンドの曲をコピーしてました」とか出てくるわけですが、そのマンガ名やバンド名が大体わからない、とか。クラス担任をするのは10年ぶりなのですが、10年前はもう少し1年生とマンガや音楽の話を共有できたような気もするんですけどね。

 そもそも、10年前は学生の「お兄さん」的な立ち位置でいられたんですけど、いまはもはや学生たちが「子ども世代」に見えてしまう感が…。実際、僕よりも僕の子どもの方が、今の1年生とは年齢が近いわけですしねえ。

 だから、学生たちの「自分史」を聞きながら、自分の子育ての参考にしてしまったりしています。たとえば、「ピアノを習っていた」という女の子の話を聞きながら、自分の娘にもピアノを続けさせよう、とか考えたり(苦笑)。

 まあ、そんなことを感じつつも、やはり若い世代と触れ合うのは、エネルギーをもらう形で、なかなか良い気分転換になっております。