ようやく
ようやく、今日で今年度最後の授業も終えたところです。長かった…。とはいえ、テスト&レポートの採点も(というか出題もまだ)あるし、某重要業務も金曜日に控えていたりするので、まだ春休み気分には程遠いところ。
まあ、春休みといってもやることは山積みなんですけどね…。ただ、締め切り三昧だった昨年に比べれば、気は楽です。
ゼミの方も今日が今年度最後ということで、これから飲み会に行くところですが、とりあえず、本日ゼミ書評で僕が取り上げたのは以下の2冊でした。
①最近読んだ「新書」では一番のヒットで、個人的には新書大賞。市民社会概念が、国家共同体→市場→第三の領域へと変遷していく社会思想史的流れが非常によくわかる。また、日本の市民社会派について取り上げている点もよいと思いました(僕は内田義彦とか大塚久雄とか、あの辺の議論が好きなのです)。「市民社会」ブームが持続する中、ぜひウチのゼミ生も含め若い人に読んでもらいたい本ですが、日本の市民社会派あたりの議論はピンと来てくれないかも。
- 作者: 植村邦彦
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2010/12/16
- メディア: 新書
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②本が出ると、とりあえず買って読んでしまう著者の一人。本書も読ませる筆致です。内容もですが、前回の「新左翼」に続いて、テーマのチョイスに考えさせられる部分もあります。企業権力→新自由主義→ポピュリズム→新左翼→ジェンダーというテーマの変遷において、やはり軸は「権力」なのでしょうね。それは、経済権力→メディア権力→社会的権力という対象の変遷でもあり、同時に一次元権力にとどまらず、二次元的権力、さらには三次元的権力をも、政治学の射程に入れようとする野心なのかもしれません。帯にある「パイオニア的考察」という紹介は、その意味においては、確かに当たっていると思います。
20世紀アメリカン・システムとジェンダー秩序――政治社会学的考察
- 作者: 大嶽秀夫
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2011/01/28
- メディア: 単行本
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