非読書の秋

 「読書の秋」と言いますが、僕の場合は、どうもこの時期が一番読書ができないようです。ここ数年、某アプリを用いて、いつどんな本を読み終わったかを記録していますが、毎年10月の冊数が一番少ない。

 10月は、大学院入試や来年度のカリキュラム編成なども始まり、何の委員をやっていても学内行政的に忙しくなることや、某書類の執筆(今年はありませんが)などに忙殺されることが要因として推定されますが、やはり一番の理由は、10月から博士論文の予備審査が始まるということでしょう。だから文章ばっかり読んでいる感じなのに、本は読めないという。

 しかし10月も終わり、今年もいくつか予備審査を終えたので、あとはいま書いている論文が書き終われば、いよいよ読書の秋到来か(体感的にはもう冬ですが)?

 さて、ゼミ書評。そんなわけであまり読めていないため(しかも読んだものはどれもいまいちだった)、夏休みころに読んで面白かったものをピックアップ。

 ①前にもここで取り上げました。「光」と「影」をそれぞれ描くだけでなく、それが交差していくという展開が素晴らしいと思います。また、すべてオランダの話なのに、日本に向けたメッセージが感じ取れるところもよいです。

反転する福祉国家――オランダモデルの光と影

反転する福祉国家――オランダモデルの光と影

 ②経済学のことはよくわかりませんが、「確かに」と思われる部分が多数あり、とても面白かったです。ただ同時に、政治学者としては、本書で書かれている方向に向かうことの難しさもまた感じてしまう1冊です。

成熟社会の経済学――長期不況をどう克服するか (岩波新書)

成熟社会の経済学――長期不況をどう克服するか (岩波新書)

 ゼミ報告も順調に進行中。扱った&扱う予定の文献は以下の通りです。どちらもゼミ生が自分で選んだものです。

首相政治の制度分析- 現代日本政治の権力基盤形成 (叢書 「21世紀の国際環境と日本」)

首相政治の制度分析- 現代日本政治の権力基盤形成 (叢書 「21世紀の国際環境と日本」)