一段落?

 予定の博士論文はすべて予備審査し終えたと思ったとたんに、新たにもう一本降ってきたり、来年度から始まる2学期制へ向けたカリキュラム編成にめどが立ったと思ったら、新たな(カリキュラム関係の)文書作成の命が下ったり、なかなか「一段落」が来ないまま、だらだらと忙しい日々が続いておりました。

 ただ、それらもある程度片付き、昨日締め切りの論文もとりあえず提出し、そして3学期制の我が大学はこれから秋休み(1週間だけ)に突入!ということで、諸々の面でいよいよ一段落を迎えそうな感じか?

 …と思ったとたん、別の共著本の校正が届いていたりするんですけどね(苦笑)。

 そんな中、11月11日(日)には、東京のH大学のTさんのゼミとの合同ゼミ。すっかり毎年恒例イベントとして定着化した合同ゼミですが、今年のテーマは「首相公選制」でした。①首相公選制②(議院内閣制下での)二大政党制③多党制の3グループに分かれ、事前準備したプレゼンをもとに、討論会。

 「(両大学入り乱れて)3グループに分かれて討論する」というのは、この合同ゼミの第1回目からの手法を踏襲しているのですが、結構面白いです。どれとどれの対立がメインになるかというところから戦いが始まっており、それに負けたグループは、議論自体になかなか参入できなくなってしまうからです。

今回は、②二大政党制と③多党制が主に議論空間を支配したのち、最終的には②の勝利(審判は教員がするのですが)。勝ったグループには、ささやかな商品として、その後の懇親会で、デザート一品が追加されました。

 「そちらのゼミ生は、年々進歩していますね」と、Tさんから評価されたことがうれしかったです。

 さて、通常のゼミの方では、恒例のゼミ書評も。僕が紹介したのは、以下の2冊です。

 ①二大政党制として(特に日本から)モデル視されているイギリスでは、実際その二大政党制が揺らいでいるということで、合同ゼミでも「多党制」グループの根拠として使われいた本書。質問を受けることの多い「本場のマニフェスト」についての記述もあり、イギリス政治研究者としては便利な本でもあります。

 ②民主化論など比較政治の枠組の中に位置付けながら、中国政治を議論するという点で、中国の専門家でなくても興味深く読める本だと思います。
現代中国の政治――「開発独裁」とそのゆくえ (岩波新書)

現代中国の政治――「開発独裁」とそのゆくえ (岩波新書)