怒涛の6月

 前回、6月はちょっと忙しい予感みたいなことを書きましたが、終わってみると結構怒涛の日々でした。公開講座や学会その他の出張が多かったことや、某リレー講義の担当が回ってくる月だったこと、さらには、某講義の中間レポートの採点やコメント書きなども重なっていたことによります。

 上記の「公開講座」とは、津田塾大学で行われた「社会的ヨーロッパの隘路と可能性」というもの。僕はコメンテイターとしての参加でしたが、かねてより疑問に思っていた「社会的」の意味などについて、じっくり議論できて楽しかったです。やはり、ヨーロッパ政治研究者の方々と集まって議論する機会は貴重だな、と。

 また、「学会」とは神戸大学で行われた比較政治学会。比較政治学会としては何年振りかにお役目なしだったのですが、そのため始まる前の緊張や、終わった後の解放感による気の緩みなどがなく、じっくりと各セッションの報告について考えることができました。あと、今後に向けた簡単な打ち合わせなどをいくつか。しかし、この学会へ行くと、自分がもはや若手ではないことを思い知らされてしまう(苦笑)。

 そんな中、ゼミなどは通常通り進行中。ちょっと前になりますが、僕が恒例のゼミ書評で紹介した本は以下の二冊でした。

(1)最近僕自身もドイツの政党をちょっと勉強中ということと、ゼミ生の中にドイツ政治を中心に卒論を書く人が2名いることから、その参考になるかと思って読んだ1冊。ドイツ緑の党について、日本語で最も詳しい1冊ではないでしょうか。日本との比較も、いろいろと考えさせられます。

ドイツ・エコロジー政党の誕生―「六八年運動」から緑の党へ

ドイツ・エコロジー政党の誕生―「六八年運動」から緑の党へ

(2)上で書いた某リレー講義で、「戦争と平和」について扱ったので、その参考になるかと思って読んだ1冊。政治哲学の観点から、平和主義をさまざまな形で議論していて、大変面白かったです。講義でも少し使わせていただきましたが、それ以上の収穫。知的にスリリングとはこういう本のことを言うのでしょうね。

 さて、もう7月か…。ヤマは越えたはずなので、研究に本腰を入れねば。