いろいろあった7月

 いつの間にか、もう7月も最終日です。例年ですと、「夏休みがあと1ヶ月しかない!」と慌てだす時期なのですが、我が大学は今年度から2学期制になったため、夏休みは9月末日まで。ここからが本番という感じです。

 7月はいろいろありました。上旬は、授業の終盤&テストなど。出張なども重なり、わりと忙しい日々を送っていたところ、

 中旬になってダウン。お医者さんからは、「軽い肺炎になっている」との診断を受けてしまい、しばらく自宅で療養。まあ、1週間ほどで回復しましたが、やはり無理はできないなあ、と痛感することに。今年は特に6月から忙しい日々が続いていて疲れがたまっていたところに、7月上旬にかなり暑かったので、それで消耗してしまったのはないかと自己判断しております。

 ということで、7月下旬はあまり無理しないように過ごそうということで、出張などはキャンセルし、研究室を中心に穏やかに過ごしていました。しかしけがの功名と言うべきか、そのおかげでじっくりと今の研究テーマについて本を読んだり考えたりすることができ、結構充実していました。やはり、研究者にとって、落ち着いて考えることのできる時間というのは、もっとも重要なリソースです。

 さて、この間には参院選もありました。今年もゼミ恒例の「議席数予想コンテスト」を実施しました。今回は、なかなかいい予想ができたと思ったのですが、上を行くゼミ生がおり、1位になれず。ちょっと自民党を多く予想(70議席)しすぎました。でもまあ、20人近くの中で3位にはなりましたから、一応教員としての面目は保ったかな?という感じです(苦笑)。

 また、ちょっと前になってしまいますが、春学期最後のゼミで、僕が書評したのは以下の二冊でした。

 (1)以前紹介したコリン・ヘイの『政治はなぜ嫌われるのか』とセットで読むとよさげな1冊。政治に失望はつきものなのだから、それに爽快感や万能薬を求めてはいけないのだ(それを求めると、待っているのはより深い失望である)という本書の根幹となる議論は、大変示唆的です。しかし、ヘイといい本書の著者といい、議会や政府領域外での政治参加をあまり積極的に評価しない面があるのは、イギリスの人だからなのでしょうか。ともかく、来年度に向けてのテキスト候補になるでしょう。

 (2)EUについてのリアルな評価、という感じがします。特に、「正統性」についての議論は、初出の段階でも読んだことのあるものでしたが、あらためて読んでみて、未だ色あせないといいますか、まさに今日的かつ本質的問題である点で、重要な課題が提起されていると思いました。

統合の終焉――EUの実像と論理

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